遊びから生まれる造形

子どもたち一人一人に、感じる心があります。そして、その感じ方は様々です。豊富な材料、自然、生活などの環境と出会うことを繰り返し、子どもたちの感性は豊かになり、表現は深まります。
イチョウの葉っぱをたくさん拾って、花束を作る子。お菓子の空き箱を使って迷路を作る子。紙コップを積んで塔を作る子。様々な材料との出会いが原動力となって造形表現が生まれます。一人一人の子どもがその子らしさを大切にし、楽しんで活動し、自分に自信をもち、より意欲的に活動できるように環境作りを行っています。
そのために、常に、子どもの思いに耳を傾け、物的・人的な保育環境をより豊かにしていこうと考えています。

1.豊かな体験から生まれる造形表現

一年間を通して、四季折々の自然に触れたり、様々な「人・もの・こと」に触れたりする体験を多く取り入れて、子どもたちが五感を通して心を動かすことができるようにしています。豊かな体験は、豊かな表現につながります。心と身体で感じた楽しさや驚きは、一人一人の子どもの意欲を生み、生き生きとした活動は、子どもたちの自信を育みます。


あじさいのいいにおいがするよ!

大きなおいもがとれたよ!

みかんをとったよ!

白バイにのってポーズ!

ぶどうがりでいっぱい食べたよ!

みんなで町探検をしました。近くの駅や交番に行って、駅員さんやおまわりさんにいろいろ尋ねました。自分たちで横断歩道も渡りました。園外保育で行った大吉山から宇治の景色を眺め,自分たちの町を自分たちで作ってみようということになりました。子どもたちの想いを大切にしながら、時間をかけて活動が進んでいきました。

町探検で、駅員さんやおまわりさんにいっぱい聞いたよ!


手を挙げて横断歩道をみんなで横断!

大吉山から宇治の町を見たよ!

宇治の町がやっと完成!

2.主体的な活動につながる造形環境

おひさまひろばに置かれた「お絵かきボード」では、遊びの時間に絵の具やパスで大きく自由に絵を描くことができます。友達と一緒に描くことで楽しさもふくらんでいきます。
2階のプレイルームには、様々な素材の材料や用具が置かれ、子どもたちの造形意欲を高めています。
時には、いつも生活している保育室のガラス窓が大きなキャンパスにもなります。自分たちの描いた作品の中で生活し、造形意欲は益々高まります。


大きなキャンバスに描くのは気持ちがいいな!

様々な素材や材料用具を常に用意!

保育室の大きな窓にマジックで絵を描きました。みんな真剣!

また、子どもたちの想像力をかき立てるものがあると、玄関ホールに、お絵描きコーナーを作ります。テーブルに置かれたマジックやコンテ、パス等で子どもたちは自由に絵を描き始めます。

子どもたちに大人気のどろんこひろばでは、日々楽しい遊びが繰り広げられます。泥団子を作ったり、石鹸をおろし器で削って泡立て、生クリームを作り、季節の葉や実をのせてケーキを作ったりするのも定番の遊びです。作った作品には自分で名前をつけ、玄関ホールの陳列棚に並べます。いつも玄関ホールには作品がいっぱい並んでいます。やりたいことを自分で選んで、「やってみよう!」と行動すること、それが認められ、賞賛されることで、子どもたちは満足感や成就感をもち、自信につなげていきます。

3.異年齢児交流を生かした共同制作

にじ組の3・4・5歳児兄弟チームで、話し合い、協力して作品を作ります。みんなで相談したり、年上の子どもが年下の子どもに教えたり、手伝ったりする姿がたくさん見られます。共に作る取組は、完成した時の喜びを倍増させ、大きな達成感につながります。


協力して傘に絵を描きます。

完成時のポーズ!

おひさまひろばの傘アート!

4.遊びの連続から生まれる造形表現

子どもたちは造形遊びが大好きです。家ではできないこと、大胆な遊びも園に来ればいっぱいできます。一人ではできないことが園ではたくさんの友達と一緒にできます。それが園の魅力でもあります。一つの遊びが次の活動を生み、その活動がまた次の活動へとつながっていきます。こうした遊びの連続が新たな表現を生み出します。
6月、あがた祭りに行った子どもたちがプレイルームで綿菓子やりんご飴を作り始めました。そこに、他の子どもたちも加わり、いつの間にかお店が出来上がっていきました。お店作りは毎日続き、りんご飴からたこ焼き屋など店の数も増え、商品の展示の仕方も工夫されていきました。11月の作品展には、子どもたちの作った、たくさんのお店とあふれんばかりの商品に合わせて、呼び込みをして売る店の人まで登場しました。作品展がおわっても、年下の子どもたちを招待してお店屋さんをする子どもたちの姿が見られました。
こうして、子どもたちの日々の遊びは連続し、進化しながら生活の中に溶け込み、作る喜びや楽しさにつながっていきます。園では、日々の遊びの発展の一つとして作品展を位置づけ取り組んでいます。

平成30年度 作品展の様子


1月 作品展
みんなで作ったお店がずらり

6月の縣祭りの後みんなで
つくりました。

作品展の後、小さな子ども達を招待して毎日お店屋さんごっこが続きました

9月 〇〇君たちが始めた町作り


11月 作品展では、より進化した町ができました。

11月 作品展後、製作した大きな飛行機に乗って遊びました。